エヴァートンは、1980年代以降のユースカルチャー(若者文化)の隆盛を背景とする日常のリアリティー(現実)と、特権的に制度化される芸術の価値への問いを、ビデオやCG、インスタレーションなどで表現する。違法と自覚をしつつも敢えてストリートで表現を挑み顕示する「グラフィティー・アーティスト」らの「作品」を、美術史上の巨匠を語るように解説するドキュメンタリー番組風のビデオ作品は、数多くの応募作品の中でも異彩を放っていた。
AIAVではアーティストブック『スター・モールズ』の制作のほか、AIAVの裏山、権現山頂上でエアギターをかき鳴らしながらシャウトするビデオ作品、そしてスタジオにお化け屋敷風疑似洞窟を造り最後にはブラフィティー(落書き)の手法で描かれた壁画へと導く周到なインスタレーションを制作。翌年には『トランスフォーマー』展で再来村し、2つの新作ビデオ作品を発表した。