ファイナルの作品の中心には常にコミュニケーション、人々との交流がある。AIAVでは子ども達とアーティストが文化・世代・言語を超え絵画という視覚言語を媒体として直接的なコミュニケーションを図るプロジェクトを行った。
秋芳町立秋吉保育所での10日間に渡るドローイング・ワークショップでは子ども達へ自分の夢を尋ね、隣接するデイケアセンターでは87歳のお年寄りと語り合った。展覧会ではこれら二つのビデオインタビューの間に橋をかけるように、子ども達と一緒に描いた絵を飾った。オープニングはユダヤ教の安息日にちなんで金曜日に行い、ファイナルはAIAV内のレストランの協力で焼いたイスラエルの祝祭日に食べるパン「ハーラ」を振る舞い、招待された子ども達はそのパンのなかから石に記された幸せのシンボルを見つけた。
またファイナルは3歳児たちとの共同制作の思い出に一本のオレンジの木を保育所の庭に植えた。その木の成長は生活、愛、人の感情そして創造性の表出に関するアーティストの信念を象徴している。