フランス在住の振付家でダンサーのミエ・コカンポーは、2000年にはじめて来村し、滞在型ワークショップ『エクストラ・クオリティー』を創作。ワークショップ参加者たちと共演した。
2004年には大蔵流小太鼓奏者吉阪一郎との「一対」によるコラボレーション作品『Before Maybe』の創作のためのレジデンスを行った。
コカンポーは岩国出身の母をもつ。コカンポーの自分のなかに共存する東西文化のルーツと向き合うような作品は、明らかに「能」を意識している。秋吉台国際芸術村での上演は、能舞台のそれより大きく方形に区切られた舞台と、鏡のかわりとして映し出した竹林の映像の前で、「型」と「破調」を大きく意識する第1幕となった。
第2幕では、同行したナターシャ・ニジックと秋吉台国際芸術村周辺はもとより県下で撮影したロードムービー風の映像作品を上映し、伝統と現代を叙景的に対比させた。