クノーフェルは、ニューヨークとベルリンを拠点に活動するメディアアーティスト。初来村の前年、東京のNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)にてアーティスト・イン・レジデンスと個展を行っている。
AIAVでは、秋吉台周辺の風景を撮影しつつ、AIAV独特の空間と音の響きを素材にしたビデオ作品を制作。その映像を映し出したモニターをAIAV内の建物の各所に設置するインスタレーション作品に取り組んだ。西欧の修道院をイメージしてデザインされたレストランでは、その格別長い残響を活かし、手を叩く音と手の動きを3方向から撮影した3chのビデオインスタレーションを制作。また別の作品では、中庭のすべての音を吸収してしまう静寂を、そこに佇む和服姿の女性で表わした。さらに落下によりガラスを打ち砕き、その様子を真下から撮影した作品もある。これら3つの作品は、鑑賞者が作品とともに建築巡りも楽しめるように配慮して展示された。