東京を拠点とする写真家・山口の主要なテーマは「人」である。東京の他、カンボジア、ベトナム、沖縄等でも撮影を行って来た『赤い土』は、その土地で暮らす人々とその背景を撮影するシリーズだ。
AIAVでは、秋芳町近郊で暮らす人々の『赤い土』と、AIAV滞在中のアーティストと生年月日が近い秋芳町の人を共に収めた『未だ見ぬ同世代人へ』の撮影に取り組んだ。秋芳町にまつわる歴史・伝統行事などのフィールド・リサーチ、カメラを片時も離さず、道行く子どもやお年寄り、秋吉台を訪れる観光客など、様々なタイプの人々との束の間の出会いも逃さずつぶさに記録するかのように、言葉を交わしシャッターを切った。
こうして生み出された写真は、3カ月の滞在で2000枚を超えAIAVギャラリーの他、町内の郵便局やバス停など、日々人々が行き交う場所に展示された。