名古屋を拠点に活動する徳重は、写真や絵画、オブジェを組み合わせたインスタレーションで、示唆的な寓話を創りだす作品を多く制作している。また、1998年に設立された名古屋の若いアーティスト達による自主運営スペース「dot.」の創設メンバーの一人でもある。
彼はnifcaとの交換レジデンスにより、AIAVから派遣される2人目のアーティストとしてフィンランドへ赴いた。滞在先であるnifcaのレジデンス施設は、ヘルシンキにある古い要塞、世界遺産のスオメンリンナ島であった。徳重はそこで氷に閉ざされた孤島(もちろん渡し船はあるが)にいる男の話『最後の観光客』と題された言葉によらない寓話を、オブジェや状況写真、ビデオなどで綴った。それらはAIAVでの帰国報告会で、nifcaの紹介、滞在の様子とともに発表された。