*国際交流基金 JENESYS Programmeによる推薦
「僕は、そのドアが海に沈んでびっしりとフジツボで覆われて、またもとの空間に戻ってもまだ機能している、そんな光景を思い描いたんだ」
東南アジアからAIAVへの最初の滞在アーティストとなったチャールズ・リムは、新しいメディアや技術を用いた作品で、ドクメンタ11(2002)やマニフェスタ7(2008)など国際的に招聘される実力をもつ芸術家である。また、リムは少年期よりシンガポールを代表するヨット競技選手として世界の海で活躍してきた。周囲を海で囲まれた都市国家シンガポールに暮らす環境と、ヨット選手として国際的に活躍してきた経験からか、海や水、ラインや越境をテーマにする作品が多い。
山口の海でフジツボを付着させたオブジェを制作するため、丸尾漁港の方々の協力を得てAIAVのギャラリーのドアハンドルと照明を海に沈水させた。展覧会では、沈水させたアイテムのギャラリーからの不在とプロジェクトのドキュメンタリーを、マニフェスタ7で公開予定の映像作品とともに展示。リムが離村して半年、丸尾の海で眠っていたアイテムは、立派なフジツボと牡蛎に覆われていた。
フェローシップ 滞在期間:2008年5月14日~6月12日