ブックタイトル秋吉台国際芸術村 Akiyoshidai International Art Village レジデンス・サポート・プログラム 2017-2018

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概要

秋吉台国際芸術村 Akiyoshidai International Art Village レジデンス・サポート・プログラム 2017-2018

46『月明かりと太陽が共にいるつかの間の避難所』  特に野外でのインスタレーションでは、塔型の、そして伸びるアーチ型のパイプを生きているように一緒に並べ、空間を構成しています。銀色の円筒型をしたパイプと緑の竹筒が合わさってユニークなイメージで置かれています。それらは構造物を幾重にも積み重ね、並べる事で幾何学的な模様が現れ、有機的な共同体のようにも見えます。この作品は、建物内と外を行き来しながら観覧でき、中庭やその周りを歩くことで遭遇できます。中庭の空間では空気や風、天候と季節などの要素が相互に作用していることに気付き、その環境に深く感謝する気持ちを得ることができるのです。この作品では、日本の伝統的な建築や、伝統的な庭園の中で文化的・構造的な点に見られる単位型の可動で一時的・可変的な空間構造を借りてきました。タマネギの皮のように拡張が続く伝統的な家の拡張構造をインスタレーションに取り入れながら、日本の伝統的な庭園に見られる抽象的かつ西洋的な方法論を使い『月明かりと太陽が共にいるつかの間の避難所』インスタレーション・ビュー / 2018A temporary shelter where the Moonlight and sun stay together, installation view, 2018ながら、理想的に小型化された風景を形成する、自然環境の中にある集合的構造-塔や寺、山、石、島など-のような空間構造を反映しました。特に、神の世界と人間の世界とを繋ぐ想像上の場所としての庭園の概念と、日本庭園の歴史上無視できない石と場所との間の相関関係、そして整えられた自然物質が型に埋め込まれてこのプロジェクトに配置された構成のメカニズムもリサーチしました。この建築物は、90年代後期にこの建物を建てた日本人建築家の磯崎新によって“海洋空間”という意味を与えられた公共の場として中庭に座っています。シンボルやシグナル、物の並び、そして無限の流れと変化によって操作された未来都市のプロトタイプを組み合わせた私の作品は、黒い石から成る架空の海の上に存在する未来の別の世界なのです。それは、逆境と危機、そして楽観と選択を反映した新たな時代の物語を創り出します。