ブックタイトル秋吉台国際芸術村 Akiyoshidai International Art Village レジデンス・サポート・プログラム Residence Support Program

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概要

秋吉台国際芸術村 Akiyoshidai International Art Village レジデンス・サポート・プログラム Residence Support Program

76この土地の魅力を案内する 毎年、この事業のアーティストとスタッフの皆さんを、秋吉台の山焼きに招待している。私の住んでいる青景地区の殿河内集落の人々と一緒に秋吉台に登り、集落が担当している地区で日本最大級の野焼き(山焼き)を鑑賞して貰っているが、山焼きの作業を直接目にすることができ、見晴らしが良いので秋吉台全体の山焼きの様子が眺められ、急傾斜の斜面を炎と風が轟音を立てて走る光景は圧巻であって好評であるが、自然環境の厳しい北欧の人には山焼きなど信じられない行為であろうと思われる。所変わればである。それを見て頂きたい、広大な原生林を伐採して焼き払い耕地にしてしまう国もある。 さて、いつも頭を悩ませるのは天気である。雨が降れば1週間後に延期されるので、山焼きの4?5日前から天気図とにらめっこである。今年も予報では予定日の前日は雨、延期になればアーティストの展覧会の準備と重なるので、山焼きにはこれないかも知れない、そこで相談して、今年のテーマは「この土地の魅力」であるから、雨で延期になっても秋吉台に登って山焼きの話と合わせ、「この土地の魅力」をテーマに急遽、芸術村の村長、秋芳国際交流協会の会長、地元の営農組合の組合長、集落の区長さんにもお願いして交流会をすることにした。 予想のとおり前日の雨で山焼きは延期になったが、幸い当日晴れて寒風の中を雄大な枯れ野のカルスト台地を散策する。 山焼きの終わった草原にはやがて新芽が吹き柔らかい草は、牛馬の餌になり肥料になった。台地に降った雨は地下に浸透して麓の村に湧き出ずる、その泉では野菜を洗い洗濯をする。村人は泉のほとりに水神様を祭り大地の恵みに感謝をする。ドリーネ耕作や秋吉台上の街道松の話を交えて、カルスト台地に住む自然と人と生活、今では昔話になってしまったが。 殿河内の集会所では昼食を摂りながら、アーティストとスタッフを中心に参加頂いた地域の方々と交流会を行った。過疎と高齢化の中で力を合わせて生きて行く農村の姿や未来を語って貰った。それが魅力であるかどうかはわからないけれど、このような日本の地域もある。「水に合い・花に愛・人に逢う・あいの里」集落の女性部の気持ちも理解されたことと思う。そして、アーティストの国々にも共通して過疎と高齢化の問題があることも知ることが出来た。                                  都市農村交流 おむすびの里代表                                             吉村 徹