EVENTイベント情報

ペルセポリス
~秋吉台で聴くテープ音楽~鑑賞プログラム

電子音楽の真骨頂!! 
あなたはこの轟音(ノイズ)に耐えられるか?!

当館中央にある屋外舞台『中庭』を中心に巨大な音響空間を創造する一夜限りの公演。

鬼才クセナキスが作曲した『ペルセポリス』(日本初演)をメインに、芸術村にゆかりのある作曲者を取り上げる。中庭に配置されたスピーカーから、あなたの周りに右から左から様々なノイズが取り囲む!!

出演者3名による特別寄稿はこちらからどうぞ。

インフォメーション

日時2020年9月5日(土)
17:30開演
場所秋吉台国際芸術村 コンサートホール、および中庭
(雨天時:コンサートホール)
料金一般 2,000円
ユース(25歳以下) 1,000円
FN会員は2割引き
持ち物屋外公演のため、当日の気候により長袖、虫除けなどをお持ちください。
チラシ準備中
主催等主催:秋吉台国際芸術村
助成:公益財団法人かけはし芸術文化振興財団
企画協力:有限会社ナヤ・コレクティブ
後援:山口県、山口県教育委員会、美祢市、美祢市教育委員会、山口県文化連盟

プログラム

対談:テープ音楽の魅力について(仮題)/有馬純寿、足立智美
ホワイト・ノイズによるイコン/湯浅譲二
ラ ファブリカ イルミナータ(照らし出された工場)/ルイジ・ノーノ
ペルセポリス/ヤニス・クセナキス 【*日本初演 】

チケット

7月10日10:00~より予約開始 (ボタンが表示されます)

プレイガイド
秋吉台国際芸術村 TEL:0837-63-0020
チケットは芸術村にて予約のみの取り扱いです。

予約申込みにあたっては、感染症拡大防止対策についてをご一読いただき、内容についてご理解いただいた上でお申込みください。

出演者/プロフィール

有馬 純寿 [エレクトロニクス]
photo by 松蔭浩之

1965年生まれ。エレクトロニクスやコンピュータを用いた音響表現を中心に、現代音楽、即興演奏などジャンルを横断する活動を展開。ソリストや室内アンサンブルのメンバーとして「サントリーホール サマーフェスティバル」「コンポージアム」などの現代音楽祭をはじめ数多くの演奏会で電子音響の演奏や音響技術を手がけ高い評価を得ている。第63回芸術選奨文部科学大臣新人賞芸術振興部門を受賞。2012年より国内外の現代音楽シーンで活躍する演奏家たちと現代音楽アンサンブル「東京現音計画」をスタート、その第1回公演が第13回佐治敬三賞を受賞した。東京シンフォニエッタメンバー。
スガダイロー、石若駿などジャズミュージシャンや、国内外の実験的音楽家とのセッションも積極的に行っているほか、会田誠、小沢剛らとの「昭和40年会」をはじめ美術家とのコラボレーションも多い。
帝塚山学院大学人間科学部情報メディア学科准教授。京都市立芸術大学非常勤講師。

足立 智美 [演出]

声、コンピュータ、自作楽器によるソロ演奏を始め幅広い領域で活動し、ヤープ・ブロンク、坂田明、ジェニファー・ウォルシュ、高橋悠治、一柳慧、伊藤キム、コンタクト・ゴンゾ、猫ひろしらと共演、非音楽家との大規模なアンサンブルのプロジェクトも行う。自作のフィジカル・インターフェイス、脳波から人工衛星、テレパシー、骨折までを用い、テート・モダン、ポンピドゥー・センター、ベルリン芸術アカデミーなどで公演。2012年、DAADベルリン滞在作曲家として招聘。2007年サントリー・サマーフェスティバル《ユーロペラ5》演出。2019年アルス・エレクトロニカ(オーストリア)デジタルミュージック&サウンドアート部門、Award of Distinction受賞。ベルリン在住。

太田 真紀 [ソプラノ]

同志社女子大学学芸学部声楽専攻卒業。大阪音楽大学大学院歌曲研究室修了。
東京混声合唱団の団員として活動後、文化庁新進芸術家海外研修制度にてローマに滞在。
シェルシ財団、ヌオヴァ・コンソナンツァ・フェスティバル、サントリー芸術財団サマーフェスティバル、武生国際音楽祭、東京オペラシティリサイタルシリーズ”B→C”、いずみシンフォニエッタ大阪定期演奏会、ニュイ・ブランシュ京都他に出演、活発な演奏活動を展開。
またTheatre E9 Kyotoにて音楽劇「触覚の宮殿」、森村泰昌氏「野生能」など舞台作品へも参加している。
神戸大学非常勤講師。アンサンブル九条山のメンバー。

公演に寄せて -特別寄稿-

ーー 有馬 純寿 ーー
太古の昔より、音楽家、そしてリスナーは新しいサウンドを求めていた。しかしメロディやリズムなどではなく「鳴り響く音そのもの」に新しさを求めるようになったのは、蓄音機やラジオなどのメディアが発明された19世紀末以降の話なのかもしれない。そのひとつの到達点が20世紀半ばに登場した「電子音楽」という新しいジャンルの音楽だろう。
一口に「電子音楽」といってもその内容は実は幅広い。まず登場したのはテープレコーダーで録音した音を音楽の素材とし、編集・可能によって作られる「ミュジック・コンクレート」と言われる音楽制作法だ。フランスを発祥の地とするこの手法は、「音楽は人間が生で演奏するもの」という概念を壊し、その後の音楽への扉を大きく開いた。その後ドイツでは発信機などさまざまな電子音響機器による音をもとに音楽を構成する手法が登場する。これらは制作にテープを用いたことから「テープ音楽」と言われ、音楽の記録媒体がデジタルに移行した現在もその名が使われることがある。メロディやリズムによらず音響そのものを構築するという新しい音楽の可能性は、さまざまな音楽家たちに多大な影響を与えた。ザ・ビートルズもそのひとつだ。その後、音を録音し編集して音楽を作るという行為は、ポピュラー音楽ではあたりまえの手法にさえなっている。
今回のイベントはその電子音楽にスポットをあてたものだ。
湯浅譲二は長らく現代音楽セミナー「秋吉台の夏」の中心的存在となった作曲家。《ホワイト・ノイズによるイコン》は彼の代表作であるだけでなく、世界の電子音楽史のなかでも極めて重要な作品だ。ホワイトノイズ(昔のテレビ放送が終了したあとに流れたザーというあの雑音)からさまざまな響きを切り出し、風や口笛、そして雷鳴の轟のような音響へと昇華させる圧倒的な響きは自然への畏怖の念さえ生みだす。
秋吉台国際芸術村のホールはイタリアの作曲家ルイジ・ノーノの晩年の大作『プロメテオ』を上演することを念頭に設計されたことでも知られる。女声と電子音響のための《照らし出された工場》は、強烈な音響と社会的・政治的メッセージが強い中期の重要作である。
そしてメインとなるのがヤニス・クセナキスの代表作《ペルセポリス》だ。1971年のイランでの初演では、広大なペルセポリス遺跡に100を越えるスピーカーを設置して行われたという。オーケストラ、人声、そして多種多様なノイズが混ざり合う強烈なカオス的音響は原始的な祝祭をも想像させる。今回は足立智美による照明演出も加えた上演となる。その強烈な音響と光を前に、われわれは1時間の間、ただ身を任すしたないだろう。
今回は、秋吉台国際芸術村の中庭の四方八方に多数のスピーカーを配置し、オリジナルの複数の再生チャンネル音源を用いた上演という近年国内では他に例のないものとなる。この場でしか体験することできない1日限りの電子の音と光による祝祭空間をお見逃しなく。

ーー 足立智美 ーー
クセナキスのキャリアは作曲家ではなく、ル・コルビュジエのもとで働く建築家として始まったことを考えあわせると、彼のテープ音楽の多くが、光による演出を伴っているのが必然であったことが理解できる。ル・コルビュジエにとっての建築における光の重要性とそれは正確に対応する。磯崎新の傑作である芸術村の建築とクセナキスの音楽を照明でどのようにつなぎ合わせることができるだろうか。

ーー 太田真紀 ーー
工場で採取された機械の音と労働者の声、スタジオ録音の合唱が融合され、合成されたテープと、生の声で演奏される《照らされた工場》は、私がはじめてのリサイタルで歌った、思い出深い作品です。ノーノ没後30年の記念の年に、秋吉台で演奏できることを楽しみにしています。