秋吉台の夏2009秋吉台の夏
「テクノロジーと現代音楽」
インフォメーション
日程 | 2009年8月18日(火)~8月23日(日) |
場所 | 秋吉台国際芸術村 |
講師 | 作曲:湯浅譲二、田中吉史、若林千春、川上法子 音響表現:有馬純寿 電子音楽研究:川崎弘二 クラリネット:山根孝司 チューバ:橋本晋哉 ヴァイオリン:ジョージ・ヴァン・ダム ヴィオラ:佐藤佳子 チェロ:宮坂拡志 ピアノ:大宅 裕、中山敬子、藤田朗子、石田美智恵 通訳・フルート:村上景子 |
概要
それは、エレクトロニクスを用いた作品というダイレクトな創作法を探ると言うよりはむしろ、テクノロジーの発達に伴って初めて可能になった創作の可能性・拡大について湯浅譲二さんの軌跡を軸に考え合うというものです。
そのために数多くのエレクトロニクスを用いた作品の上演に関わっておられるスペシャリストの有馬純寿さんと、歯学博士でありながら「日本の電子音楽」について研究され、大著を今年の3月に増補版を出版された川崎弘二さんもお招きします。
また作曲家では、若林千春さん、田中吉史さんの他、今回はケルン在住でヨーロッパを中心に世界各地で作品を発表している日本人作曲家・川上法子さんが初参加となります。
そして作曲マスター・クラスでは、新しい音楽創造に携わろうとする若者に向けて、未来への更なるイマジネーションの拡大を投げかけます。
演奏の講師陣では、フランスの国立ロレーヌ交響楽団の首席トロンボーン奏者で活躍しながら、作曲家としても刺激的な作品を発表し続けているドミニク・ドゥ・ラオシュさんが初来日します。
そして、ベルギーを本拠とし世界最高レベルの現代音楽アンサンブル「イクトゥス」のヴァイオリン奏者・ 、同じく「イクトゥス」で活躍し現在NHK交響楽団のクラリネット奏者・山根孝司さん、永年パリで活躍し、驚異的超越技巧と意欲的な活動で注目されるチューバ奏者・橋本晋哉さん、NHK交響楽団の若手チェロ奏者・宮坂拡志さんで、マスタークラス、特別レッスンの他、レクチャー・デモストレーションやトーク&コンサートを行います。
特に世界一線級で活躍する演奏講師陣によるお話あり、演奏ありの自由な発想で企画する「トーク&コンサート」は、きっと豊かな創造の果実を伝えてくれることでしょう。
以上の講師陣の他、ピアニストとしては、本セミナーではおなじみのケルン音楽大学講師の中山敬子さん、アンサンブル・ピアニストとして活躍中の藤田朗子さん、抜群の切れ味と跳躍感で共演者に寄り添う石田美智恵さんに加えて、今回はベルギー在住でソリスト、アンサンブル、伴奏、オーケストラ奏者として坂井各地で活躍中の大宅裕さんが加わります。
また現在フランスで活躍中のフルーティスト・村上景子さんには演奏の他通訳もお願いしています。
深い自然に囲まれた秋吉台国際芸術村で、音楽的イマジネーションを拡げ、豊かな芸術創造の時間を共に過ごしませんか?
多くのみなさんの参加をお待ちしています。
- 主催:秋吉台現代音楽研究会
- 共催:秋吉台国際芸術村
- 助成:財団法人 ローム ミュージック ファンデーション
- 後援:山口県 山口県教育委員会 美祢市 美祢市教育委員会 山口県音楽協会
スケジュール
8/18(Tue.)
14:15~14:40 オープニング・セレモニー
15:10~15:30 レッスン時間割作成
15:45~17:30 オープニング・レクチャー:湯浅譲二<楽器クラス=レッスン>
19:30~21:00 トーク&コンサート(1):橋本晋哉プロデュース
8/19(Wed.)
9:20~10:50 レクチャー:「自作を語る 1」湯浅譲二
11:00~12:30 レクチャー:「自作を語る 2」~心理学と作曲~ 田中吉史
14:00~17:30 レッスン
19:30~21:30 レクチャー:「エレクトロニクスを伴う作品上演の基礎知識」有馬純寿
8/20(Thu.)
9:20~10:30 アナリーゼ
10:30~11:30 レクチャー:「自作を語る 3」川上法子
11:45~12:30 レクチャー・デモストレーション:「ヴァイオリンの可能性」G.van.ダム
14:00~17:30 レッスン
19:30~21:00 トーク&コンサート(2):D.ドゥオラオシュ プロデュース
8/21(Fri.)
9:30~12:30 リスニング・セッション:「湯浅譲二の電子音楽作品」湯浅譲二、有馬純寿、川崎弘二、田中吉史
14:00~17:30 レッスン
19:30~21:00 トーク&コンサート(3):~山根孝司と仲間たち~ 山根孝司プロデュース
8/22(Sat.)
9:30~12:30 レッスン
13:30~15:00 受講生コンサート ゲネプロ
15:00~16:30 クロージングコンサートゲネプロ
16:45~18:00 受講生コンサート
18:30~21:00 クロージングコンサート
21:30~ レセプション
8/23(Sun.)
9:30~11:00 フリーセッション
11:20~11:50 ディプロマ授与/クロージングセレモニー
コンサートプログラム
秋吉台の夏 コンサート *…日本初演 、 **…世界初演
クロージングコンサート 8/22(Sat.) 18:30~
(準備中)
<<記録>> 当時の活動レポートより
現代音楽セミナー&フェスティバル 秋吉台の夏2009 テクノロジーと現代音楽(8月18日-8月23日)
Contemporary Music Seminar & Festivaltechnology & contemporary musicAug, 18, 2009- Aug. 23
2009.8.24
18日から始まった秋吉台の夏2009「夏テクノロジーと現代音楽」。湯浅譲二さんによるオープニング・レクチャーから始まり、毎日朝から晩まで講師によるレクチャーやトーク&コンサート、マスタークラスのレッスンが行われました。そのなかで受講生から「現代曲に対する受け入れ方が変わった」という声を多く聞きました。
秋吉台国際芸術村ができたときから開催されているこの企画ですが、やはり特筆すべきはこの環境ではないかと思います。
芸術村は最寄りのコンビニに行くのにもなかなか骨が折れる場所にあるため、食事は皆さん指定された時間にレストランでバイキングを召し上がります。宿泊も施設内でするため、かなり多くの時間を講師の方々と同じ環境で過ごせます。
休憩スペースで講師の方と受講生が話している姿も多く見られました。受付では講師がつくられた書籍やCDなどの物品販売もしており、サインをもらうにはまたとないチャンスでした。(笑)
施設は現代音楽をはじめとした芸術の滞在制作活動のために作られたアーティスティックな建物で、音響設備も整っているためレクチャーの際に部屋の四方にスピーカーを設置して5.1chサラウンドシステムのサウンドを体感することもできました。
本日は今回のセミナーのメインイベントであるクロージングコンサートがあり、各講師陣による作品、また演奏はどれもすばらしく、現代曲の美しさを感じることができました。
貴重な5泊6日を過ごさせていただきました。芸術に対してどんどんお金がかけられなくなっていく世の中で、秋吉台国際芸術村のこのセミナーには充実した環境が整っています。
集まった音楽家たちはお金を目的とせず、ただいい音楽を追求していました。
まだこのセミナーに足を運んだことがない方はぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?
(インターンシップ/高田・濱口・山田)