アーティスト・イン・レジデンス フェローシップ・プログラム2022アーティスト・イン・レジデンス
秋吉台国際芸術村アーティスト・イン・レジデンス フェローシップ・プログラム2022
2022年度は8組10名のアーティストが選ばれました。
滞在アーティスト
ポール・オマージュ&ユミ・タケウチ Paul Hommage and Yumi Takeuchi(フランス、日本/視覚芸術)
滞在期間:2022年4月1日(金)~4月24日(日)
ポール・オマージュと竹内佑未はフランスと日本を拠点に活動するアーティストである。 2013年より共同制作を開始。ドローイングや版画、絵画、石など、様々な素材をスクリーンとし、プロジェクターによって投影された映像の光との相互作用によって空間を形成するインスタレーションを制作する。複数のイメージをパランプセストのように重ね描くことによって出現する多孔質な空間、またそれらの制作途中で現れるランダム性を探求する。
スクリチェ・アグニェシカ Skulicz Agnieszka(スコットランド/モーショングラフィック、イラスト)
滞在期間:2022年9月20日(火)~10月19日(水)
アガ・スクリチェ(別名ペリカン・ババ/Pelikan Baba)はポーランド出身の視覚的・学際的アーティスト。彼女の実践における中核はイラストレーション、タトゥーアート、アニメーションの分野で表される。彼女の作品では様々な伝統的なメディアが利用され、デジタルテクノロジーと組み合わされる。彼女は主に静止画像と動的画像をつなぐ拡張現実を通じ、従来の技術を補完し、その深さを拡張するために、最新の技術を実験する。
ペリカン・ババの作品は、神話やアーバンアート、グラフィティ、グラフィックノベル、アニメーション、言語学、哲学の影響を受けている。しばしば探求されるテーマは、自然と夢、動物、空想と現実、一時性である。このスタイルの発展はアジア文化と彼女の東ヨーロッパの遺産に敬意を表している。
サンドラ・ベルギアヌ Sandra Berghianu(ルーマニア/セラミック、ビジュアルアート)
滞在期間:2022年10月20日(木)~11月20日(日)
私の現在の活動ではセラミックと環境の間の関係を探求している。私の作品は自然の不規則性と思いがけない出来事にインスピレーションを受けており、目立つが環境へ溶け込む彫刻的オブジェクトへと様式化される。永久的な作品を作るのではなく、一時的で儚いものに惹かれ、自身の作品を環境と観客による相互作用へさらす。最終的な結果をコントロールしきれないことを楽しんでおり、機会と素材そのものがこのプロセスをリードするようにしている。
instagram.com/sandraberghianu/
ジョージ・スタマタキス、坂田ゆかり George Stamatakis and Yukari Sakata(ギリシャ、日本/絵画、インスタレーション)
滞在期間:2022年11月16日(水)~12月12日(月)
ジョージ・スタマタキス(画家)と坂田ゆかり(演出家)は、2017年から幾度も共通のフィールドでコラボレートしてきた。彼らの実践は環境に焦点を当て、政治的な立場として自然と対話し、さまざまな文化の歴史的刻印を取り入れながら、徹底性と独特の表現法を追求している。とりわけ、2021年から制作を開始したスタマタキスの最新シリーズは日本の藍からインスピレーションを得たものである。スタマタキスは坂田と共に、哲学的道徳と芸術的遺産としての「藍」を理解するためのリサーチを行っている。
instagram.com/georgestamatakis__/
yukarisakata.com
コートニー・スウェイン Courtney Swain(日本/音楽、映像、写真、イラスト)
滞在期間:2022年12月1日(木)~12月27日(火)
福岡市出身。幼少からピアノを学び、高校からバンド活動に没頭。ボストンのバークリー音楽大学卒業後、多忙な公演、制作、ツアー活動に身を任せてはや10年。近年はソロ制作にも意欲的に取り組み、既成のジャンルやコンプレックスに囚われない新鮮な作品を追求している。中でも2021年に発表した2作品FountainheadとRipeは、音楽だけでなく映像やダンスの要素を活かしており、今後の他分野に渡る制作を期待させる。
リリー・チン Lili Chin(アメリカ/インスタレーション、彫刻、映像)
滞在期間:2023年1月5日(木)~2月5日(日)
リリー・チンの作品は、はかなさ、記憶、寓話を明示するための認識を変換するプロセスである。プロセスには、集めること、変形させること、配列することなどの繰り返しの行為が含まれる。直感や反応を通して、素材の肉感的特性を理解し、触覚性と模様を使ってリサーチと制作に生気を吹き込む。プロセスの中にある律動的な物性は、作品に個人の霊性を吹き込む儀式のようなものとなる。控えめな素材など経済的な手段を用いることで、日常のものにいかに生命が与えられ、時間の連続性、メタファー、寓話が私たちの日常にもたらすイメージとなるか探求している。
ヨウ・ルー・チン Yow-Ruu Chen(台湾/シアター、メディアアート)
滞在期間:2023年2月14日(火)~3月15日(水)
台湾出身。彼女の作品は創造的戦略として、しばしば地域環境を音、映像、インスタレーション、ライブパフォーマンスを使いながら統合する。パフォーマンス作品のテーマを発展させるために形と音を混ぜ合わせることを好んでいる。
ドーラ・エコノモウ Dora Economou(ギリシャ/ビジュアルアート)
滞在期間:2023年3月1日(水)~3月31日(金)
彫刻的、ハンドメイド、プロセスベース、材料志向的であるドーラ・エコノモウの創作活動は、具象的であり物語体でもある。異なる学問分野から取り入れた素材や技術、方法などを本来の内容や目的から解放させ、話し言葉や口承文学の角度から創作にアプローチする。物体を人物と見なす目的は統語論であり、インスタレーションの形式と休止の相互作用が句読点を調整しリズムを整える。異なる言語、コミュニティ、学問分野の間に存在する翻訳や解釈の限界に関心があり、現代のビジュアルイメージの文化が、知覚や経験上のギャップを補うことができるか研究している。
- 主催:公益財団法人山口きらめき財団秋吉台国際芸術村
- 後援:山口県、山口県教育委員会、美祢市、美祢市教育委員会、山口県文化連盟