秋吉台国際芸術村

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EVENTイベント情報

森の学校-芸術村エコ・スタディーズ04
アーキペラゴ/海と島と山を渡るワークショップ

アーキペラゴ/海と島と山を渡る -みる きく あるく フィールドワークショップ-

11月25日~27日の3日間にかけて、瀬戸内海の周防大島から日本海側の萩・笠山、そして長門の青海島まで、山口県の海と島と山を、写真を撮影しながら観察するフィールドワークショップを行います。このフィールドワークを通じて、山口の人々の暮らしと自然風景を見つめ、地域へのあらたな視点を発見しようという試みです。

アーキペラゴ=群島、広い海原に点在する島々を航海する人々をイメージさせるこの言葉は大陸的な歴史からこぼれ落ちた膨大なルートとルーツの物語を想起させます。世界を島々から読み解き、そうした中心性を持たない島々の多重なネットワーク空間こそが日本の特性であったことを明示したのが山口県出身の民俗学者・宮本常一でした。瀬戸内海の周防大島、沖家室島から日本海の萩・笠山、見島、青海島まで、“歩く巨人”と言われたその宮本の足跡をたどり、彼の残した写真資料を紐解きながら土地と人間と時間を再発見するフィールドワークショップ。
移動、観察、撮影、調査、編集を通し、土地との積極的な対話を行い、人と宇宙を交差させる雪舟庭や生態学的な知で山河をとらえなおすパトリック・ゲデスの思想も踏まえながら、「地域」への新たな視点を見出してゆきます。
(企画監修:伊藤俊治)

日程2010年11月25日(木)~11月28日(日)
11月28日(日):シンポジウム
11月28日(日)~12月19日(日):ワークショップ記録展示
料金12,400円
※バス代、宿泊代、食事代(朝2昼1夕2)、見学施設の入館料を含む。
定員15名(申込多数の場合は先着順)
申込方法氏名/住所/TEL・FAX/生年月日/簡単な自己紹介を明記し、郵送、FAXまたはEメールで秋吉台国際芸術村「芸術村エコ・スタディーズ④」係までお送りください。
◎遠方からお越しの方へ
ワークショップの前泊・後泊も可能です。*別途宿泊料金がかかります。(1人利用の場合3000円~)
申込締切2010年11月15日(月)
会場・申込・お問い合わせ秋吉台国際芸術村
フィールドワークショップ

11月25日(木)
12:00  新山口駅集合 ※車で来られる方は11:00芸術村集合
13:00- フィールドワーク①:雪舟庭、瑠璃光寺、錦渓の滝 他(山口市)
    イントロダクションレクチャー:伊藤俊治
19:00- ゲストレクチャー②:石川直樹
芸術村泊

11月26日(金)
7:30出発
フィールドワーク②:周防大島(周防大島文化交流センター、白木山、真宮島、下田八幡宮周辺)、沖家室島(泊清寺 話者:泊清寺住職・新山玄雄)
<芸術村泊>

11月27日(土)
9:00出発
フィールドワーク③:笠山 他(萩市)
フィールドワーク④:青海島、くじら資料館(長門市)
<芸術村泊>

11月28日(日)
午前 フィールドワークショップの記録展示準備
13:30 記録展示オープン
14:00-16:00 シンポジウム
終了後、解散

講師

伊藤俊治 (いとうとしはる/美術史家)

1953年秋田生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科西洋美術史専攻修士課程修了。専門の美術史・写真史の枠を越え、アートとサイエンス、テクノロジーが交差する視点から多角的な評論活動を行なう。おもな展覧会企画・監修に「移動する聖地」(1998年、ICC)、「CHIKAKU四次元との対話」(2006年、岡本太郎美術館)など。著書に「20世紀写真史」「ジオラマ論」「機械美術論」「電子美術論」等多数。東京藝術大学先端芸術表現科教授。

ゲストアーティスト

石川直樹 (いしかわなおき/写真家)

1977年東京生まれ。2000年Pole to Poleプロジェクトに参加して北極から南極を人力踏破、2001年七大陸最高峰登頂を達成。人類学、民俗学などの領域に関心をもち、旅などをテーマに作品を発表し続けている。写真集に『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)、『Mt. Fuji』(リトルモア)、『VERNACULAR』(赤々舎)、『ARCHIPELAGO』(集英社) 、著書に『いま生きているという冒険』(理論社)、『最後の冒険家』(集英社)ほか多数。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。多摩美術大学芸術人類学研究所研究員。
公式サイト

[関連企画]フィールドワークショップ記録展示

「アーキペラゴ/海と島と山を渡る -みるきくあるくフィールドワークショップ」(企画監修/講師:伊藤俊治、ゲストアーティスト:石川直樹)では、21人の参加者が山口県の瀬戸内海から日本海へと島と海と山を移動しながら、それぞれのフィールド調査を記録しました。
本展覧会では、本ワークショップの21人の参加者=フィールドワーカーの写真、映像、音、記録ノート等を公開します。
海の交易を通じてつながり、独自の文化や歴史を生み出してきた島々のネットワークのように、それぞれのルートとルーツを想起させる21の島々による、群島インスタレーション。

会期11月28日(日)~12月19日(日) 10:30~17:00 ※初日のみ13:30~18:00
会場秋吉台国際芸術村 本館2Fギャラリー
料金入場無料
その他ご希望の方はスタッフが展示の解説を行います。
不在の場合もありますので、なるべく事前にaiav_ws@aiav.jpまでご連絡ください。

[フィールドワークショップでの移動ルート]
11/25 山口市(雲谷庵、瑠璃光寺、錦鶏の滝、雪舟庭)
11/26 周防大島(下田八幡宮、真宮島周辺)、沖家室島
11/27 萩市(笠山、玉江港、萩市街)、青海島(自然探求路、通地区)

[関連企画]シンポジウム

会期11月28日(日) 14:00~16:00
会場秋吉台国際芸術村 本館2F 研修室2
料金一般公開/入場無料

パネリスト
伊藤 俊治(美術史家、東京藝術大学先端芸術表現科教授)
石川 直樹(写真家)
奥津 聖(山口大学名誉教授)
菊屋 吉生(山口大学教育学部教授)

 
左:2010年11月26日 真宮島(周防大島町) 右:2010年11月27日 静ケ浦(青海島)
Photo 坂井洋右

  • 主催 (財)山口県文化振興財団 秋吉台国際芸術村
  • 後援 山口県、山口県教育委員会、美祢市、美祢市教育委員会、周防大島郷土大学、周防大島文化交流センター

森の学校-芸術村エコ・スタディーズ

「森の学校-芸術村エコ・スタディーズ」は、アートの技術を私たちの生きる世界に活かしていくための全4回のレクチャー、ワークショップ、ショーイングシリーズです。

いつもどこかで誰かが自分の経験できない世界を生きているのを知っていて、それらが日々さまざまなメディアから情報として入ってくる現代の生活のなかで、私たちはどのように、自分と自分の身の回りの生活社会そして世界との関係を想像してゆけるでしょうか?全4回のプログラムで、さまざまなジャンルのアーティストを講師として招き、アーティストたちが世界をながめる視点から多くのことを学んでゆきます。

第1回6月27日(日)
hanare「コミュニティを勝手につくるための5W1H」
第2回9月18日(土)-20日(月祝)*2泊3日
梶川泰司「テンセグリティ・ワークショップ」
第3回5月~11月下旬
江藤由紀子「秋吉台でダンス」
第4回11月25日(木)-28日(日)*3泊4日
伊藤俊治、石川直樹「アーキペラゴ/海と島と山を渡る -みる きく あるく フィールドワークショップ-」