EVENTイベント情報

森の学校-芸術村エコ・スタディーズ03
秋吉台でダンスその他

ダンサーの江藤由紀子が、秋吉台に伝わる伝統舞踊や、農作業などの身体作法を教えてもらう、半年間のダンス交流プロジェクト。

山口市を拠点に活動するダンサーの江藤由紀子が、秋吉台の家庭や農家、伝統舞踊の伝承館をたずね、地域の人々の身体作法を教えてもらいながら交流を行います。
半年に渡るこのプロジェクトの様子は、芸術村ブログで随時公開していきます。

インフォメーション

日時2010年5月~11月下旬
会場秋吉台国際芸術村および近隣地域

プロフィール

江藤由紀子

福岡県出身、山口県在住。2006年、山口情報芸術センター(ycam)で催された山田うん振付ワークショップ参加を機に、踊りを始める。山口ではスタジオイマイチを拠点に活動するダンスカンパニー“ちくは”の作品に出演するほか、山口・福岡を中心に積極的にソロ活動を行う。
ほか、山口の景勝地でのパフォーマンス・ビデオ・プロジェクト「名所でダンス」を継続中。

  • 主催 財団法人山口県文化振興財団秋吉台国際芸術村
  • 後援 山口県、山口県教育委員会、美祢市、美祢市教育委員会

森の学校-芸術村エコ・スタディーズ

「森の学校-芸術村エコ・スタディーズ」は、アートの技術を私たちの生きる世界に活かしていくための全4回のレクチャー、ワークショップ、ショーイングシリーズです。

いつもどこかで誰かが自分の経験できない世界を生きているのを知っていて、それらが日々さまざまなメディアから情報として入ってくる現代の生活のなかで、私たちはどのように、自分と自分の身の回りの生活社会そして世界との関係を想像してゆけるでしょうか?全4回のプログラムで、さまざまなジャンルのアーティストを講師として招き、アーティストたちが世界をながめる視点から多くのことを学んでゆきます。

第1回6月27日(日)
hanare「コミュニティを勝手につくるための5W1H」
第2回9月18日(土)-20日(月祝)*2泊3日
梶川泰司「テンセグリティ・ワークショップ」
第3回5月~11月下旬
江藤由紀子「秋吉台でダンス」
第4回11月25日(木)-28日(日)*3泊4日
伊藤俊治、石川直樹「アーキペラゴ/海と島と山を渡る -みる きく あるく フィールドワークショップ-」

活動レポート / Activity Report

森の学校-芸術村エコ・スタディーズ3:江藤由紀子「秋吉台でダンス」 はじまりました! ~美東町・赤郷で田植え~

2010年05月03日[月]

「森の学校-芸術村エコ・スタディーズ」は、アートの技術を私たちの生きる世界に活かしていくための全4回にわたるレクチャー、ワークショップ、ショーイングシリーズです。

芸術村エコ・スタディーズ3:「秋吉台でダンス」では、ダンサーの江藤由紀子さんが、秋吉台の家庭や農家、伝統舞踊の伝承館など、人々の暮らしの中にたずね、その身体作法を教えてもらうダンス交流プロジェクトです。
芸術村ブログでは、半年にわたるその交流の様子をお伝えしていきます。各地で江藤さんがどのような身体作法を学んだのか、ビデオもアップロードしていく予定です。

この日はプロジェクトのスタート日で、美東町赤郷にある栗栖敬一郎さんの農家を訪ねました。
5月の間、品種ごとに適した時期に、順々に田植えが開始されます。この地域の米はコシヒカリが中心で、他種よりも早いそうです。江藤さんは5月2日に訪ねました。

秋吉台周辺では、山間に田んぼがあるので、真四角ではない、不定形のあぜが多く見られます。

手書きのスケッチで田んぼのかたちを確認。弧を描いている形の田んぼを、最も効率的なルートで田植え。

田んぼの土は栄養豊富な粘土質。「抜き足差し足」のような歩き方のコツを教えてもらう。長時間腰を折り曲げる作業なので、膝でひじを受けとめて、上半身を支える。

田植えの終了後、田んぼにも引かれている山からの湧き水で、手足の泥を落とす。

—–
この日、栗栖さんのお子さんとそのご家族も、田植えを手伝うために帰省されていました。午後、江藤さんも交えさせてもらい、みんなで春らしい香りのよもぎ餅を作って、いただきました。

普段は山口市内で生活する江藤さんにとって、大きな縁側の一軒屋や山に囲まれた暮らしは何もかも新鮮でしたが、なかでも印象的だったのは、栗栖さんご夫婦のおもてなしの作法だったそうです。栗栖さんの田畑でとれたお米を使ったお餅や野菜、山口の海山の食べ物をふんだんに使ったごちそうは、本当に、体がじーんとするおいしさでした。
秋吉台で暮らす方々の日々の仕事や食のこと、季節とともに受け取っているさまざまな自然の恵みについて、教えていただきました。次は、9月の稲刈りに参加させていただく予定です。
※栗栖敬一郎さん・美智子さんに心より感謝申し上げます。

(内山)

秋芳梨園で摘果と袋かけ

2010年05月24日[月]

「梨の摘果」
梨の果実を小さいうちに間引き、よい実に栄養が行き届くようにするための作業。

※映像は現在ご覧いただけません
(3:41)

「梨の袋かけ」
実に虫がつかないようにして、梨を守るための作業。

映像は現在ご覧いただけません
(6:06)

2010年5月12日
場所:秋芳町
協力(先生):秋山実さん、秋山和子さん

美東町・赤郷の田んぼ その後

2010年06月05日[土]

5月に江藤さんが苗を植えた田んぼの生育の様子を、栗栖さんが送ってくださいました。

※写真は現在ご覧いただけません
写真:栗栖敬一郎さん

育っていますね!
秋吉台ではもうすぐ、たくさんのホタルが見られるそうです。

秋芳町・りんどうの会

2010年07月15日[木]

6月22日、江藤由紀子さんが秋芳町で週1回活動している民舞サークル「りんどうの会」の練習会場を訪れました。
民舞とは、一般的には民族舞踊(フォークダンス)の略称にあたるようです。民謡だけでなく、最近では演歌や歌謡曲にあわせて振付し、踊ることもあるそうで、この日は「河内おとこ節」など3曲を練習されていました。
独特の節づかいのステップや、爪先まできれいにそろえた指づかい、山笠などの小物さばきや清々しい表情など、皆さんの体の使い方に注目してみると、改めてその踊りに興味がわいてきます。
りんどうの会の皆さんは7月10日に秋吉台国際芸術村ホールで行われる発表公演を控えていたこともあり、この日は見学のみさせていただきましたが、最後に、山笠の使い方と節の取り方を教えていただきました。

秋芳町・青景でかかし作り

2010年08月09日[月]

秋芳町・青景地区の「おむすびの里」は、子どもたちの農業体験や、子どもから大人まで異なる世代が繋がるコミュニティづくりのきっかけを提供しています。
この日、わらを使った昔ながらのかかし作りをすると聞いて、江藤由紀子さんも参加させていただきました。

参加していた子どもたちと一緒に、そばの種まきを教えてもらう。とにかく手をかけないことが育てるコツだそうで、この日まいた土も白く乾いていました。

※写真は現在ご覧いただけません
かかし作りの材料。胴体と頭の部分はわらで厚みをつくります。

※写真は現在ご覧いただけません
竹と木を使って、大人の背丈ほどの骨組みをつくります。
手足の長さや、わらのボリューム加減が、カラスもびっくりするほどのリアリティを作るようです。

※写真は現在ご覧いただけません
全部で3体のかかしができました。
左より 江藤さん作”かおるくん”、青景の皆さん作”日本一”、子どもたち作”へのちゃん”

江藤さんはこの交流プロジェクトの成果として、美東町・赤郷の田んぼでショーイングを行う予定です。
その際には、このかかしをお借りする約束をしていただきました。

このほか、手作りのそうめん流しや、おむすびの里でとれたお米のおにぎりもごちそうになりました。
青景の皆さん、ありがとうございました!

秋芳町の夏祭り

2010年08月23日[月]

8月13日(金)に秋芳町・秋芳公民館で夏祭りが行われました。今回は、「秋芳小唄」という地域の盆踊りのリサーチです。

「秋芳小唄」は、昭和10年に旧秋吉村が、童謡「しゃぼん玉」で知られる詩人の野口雨情氏を招き、秋芳洞の唄の作詞を依頼してできあがりました。作曲者は不明ですが、現在も学校で子どもたちに歌われたり、地域の盆踊り歌として親しまれているほか、秋芳町の林節恵さんが歌をのせた収録音源がCD化されています。

夏祭りでは、先日レッスンを見学させてもらった「りんどうの会」の方々が踊りの手本として舞台で踊っておられて、みんなはその前でぐるりと輪をつくって踊ります。江藤さんも踊りの輪に入って、みなさんと一緒に踊りました。短い振付の繰り返しなんですが、なかなか覚えるのが難しかったようです。地元の人たちも始めは思い出しながら踊っていましたが、一曲が終わるころにはすっかり思い出して踊っていました。小さい頃から踊っていたので、体が覚えているんですね。

さて、夏祭りは盆踊りのほか、地元のよさこい踊りや和太鼓演奏、くじ引き大会にカラオケ大会、とにかく餅まきなど盛りだくさんの内容で、わた菓子やとうもろこし屋台などすべて地域の人たちの手作りでした。そのためか、おおいに盛り上がり、町の人たちの一体感を感じるお祭りでした。

☆今回江藤さんが盆踊りの輪で踊っているところをうまく撮影できませんでした・・・申し訳ありません。

予告~美東町・赤郷の田んぼでダンス~

2010年08月23日[月]

江藤由紀子のダンス交流プロジェクト「秋吉台でダンス」の成果発表公演(ショーイング)vol. 1 を行います。
収穫後の田んぼを舞台にお借りして、踊ります。詳しくは芸術村までお問い合わせください。
また、このショーイングの映像は、後日ブログで公開します。

日時:9月6日(月)17時頃(夕暮れどき)開演
※雨天決行。天候の状況により予定より早めに開演する可能性があります。
場所:美祢市美東町赤郷 山中公会堂前・栗栖敬一郎さん家の田んぼ(県道28号線沿い/山中八幡宮向かい)
無料

秋芳町別府の念仏踊り

2010年09月01日[水]

「念仏踊り」は、毎年9月の第一日曜日に行われる「別府弁天祭り」で、秋芳町の別府地域の子どもたちが中心になって踊る伝統的な舞です。秋芳町・別府地域の水田には、名水百選にも認定されている弁天池から水がひかれていますが、別府弁天祭りでは、豊年万作を願い、神の恵みである水に感謝してこの念仏踊りを奉納するのです。
山口県無形民俗文化財にも指定されていて、別府念仏踊保存会が地元の子どもたちに継承しています。

江藤由紀子さんは、1週間ほど前から花作り(お祭りに使う飾りづくり)や稽古を行っている、別府の伝習館を見学しました。

踊りの稽古では、「胴取り」と呼ばれる2人の青年が太鼓をたたきながら舞と拍子の舵をとり、「うちわ使い」が団扇をヒラリヒラリと仰ぎながら踊ります。そして、そばでは鐘をたたく「鉦(かね)たたき」(今年の最年少はなんと3歳!)、杖を剣のように使う取り組みをする「棒使い」の子たち、総勢16人です。
江藤さんも「見ているだけでぞわっとします」と言うほど、本番前にしてその空気は独特で、キンキンとかなり甲高い音や少し不揃いな拍子が、お祭り独特の混沌さや期待を込めた熱気を生み出していました。

9月1日から3日までは、稽古のあとにお粥がふるまわれるそうで、江藤さんも一緒にいただきました。このお粥を食べると病気を遠ざけるそうです。
杖を使った舞に興味しんしんの江藤さん。杖まわしの手の使い方を教えてもらいました。

—————-
別府弁天祭りは、9月5日(日) 14:30~18:30頃まで。
念仏踊は、14:30に別府伝習館をスタートし、別府地区を移動して、16時頃に厳島神社(美祢市秋芳町別府)で奉納されます。

美東町赤郷の田んぼで稲刈り

2010年09月06日[月]

江藤です。
本日は、五月に田植えをさせていただいた栗栖家の田んぼの稲刈りです。
稲ってあっとゆうまに伸びるんですね。想像よりも早くてびっくりしました。

最初に、刈ったあとの稲を束にして、竹の竿に干す作業をしました。
この田んぼは9月6日に踊る舞台となります。田んぼで踊るのは初めてです。
干された収穫後の稲に囲まれて踊るのも初めてです。すごいセットですよね。山、稲、ニワトリ付。それと台風。楽しみです。

そのあとは、ギザギザがついた稲刈り用の鎌で、手刈りをさせていただきました。
この作業は、炎天下の中で大変でしたが、稲をどういった向きに持つかとか、鎌は体重移動で引いてみると楽だとか、腰がどの位置にあると安定するかとか、足の開き方とか、
一回一回試しながらやっていると、作業を飽きることなく、黙々とやっていることに気がつきました。
小さい頃からそういった作業が好きで、踊りを作るときも同じような事に陥ることがあります。
とても時間がかかります。効率はよくないかもしれませんが、性分ですね。
今回の企画は、5月から11月までとゆっくり時間が取れるので、私にとってはすごくありがたいです。
その時間の間に体験したことを、ゆっくり体に取り込んでいこうと思います。
江藤由紀子

☆9月6日に行ったショーイングvol.01「美東町赤郷の田んぼでダンス」の映像は、近日中にこのブログで公開します。

予告~秋芳町・別府の梨畑でダンス~

2010年09月14日[火]

江藤由紀子のダンス交流プロジェクト「秋吉台でダンス」の成果発表公演(ショーイング)vol. 02 を行います。
今回は、たわわに実った秋芳梨の畑を舞台にお借りして、踊ります。
場所など詳しくは芸術村までお問い合わせください。(0837-63-0020)
また、このショーイングの映像は、後日ブログで公開します。

日時:9月16日(木) 12時30分頃開演
場所:秋芳町別府江良(山口美祢農協梨選果場付近)
無料
※雨天決行。天候の状況により予定より早めに開演する可能性があります。

秋芳町・別府の念仏踊り

2010年09月21日[火]

※写真は現在ご覧いただけません

別府弁天祭:2010年9月5日(土)
場所:厳島神社ほか別府地域

撮影:江藤由紀子

秋芳町・青景の神楽

2010年10月23日[土]

来年青景八幡宮で開催される神楽舞の練習に参加させていただきました。

※映像は現在ご覧いただけません

2010年10月2日
場所:秋芳町・青景八幡宮
協力(先生):吉村徹さん、青景神楽のみなさん

予告~秋芳町・別府神楽でダンス~

2010年11月03日[水]

江藤由紀子のダンス交流プロジェクト「秋吉台でダンス」の成果発表公演(ショーイング)vol. 03 を行います。
今回は、秋芳町別府の夜神楽で、幕間に踊らせていただくことになりました。
別府神楽保存会の皆さんの神楽舞もとても素敵ですので、ぜひご参加ください。
内容など詳しくは芸術村までお問い合わせください。(0837-63-0020)
また、このショーイングの映像は、後日ブログで公開します。

日時:11月6日(土) 18:30~23:30頃 ※江藤さんは神楽演目の途中、幕間で踊ります。
場所:壬生神社(美祢市秋芳町別府2132)
無料

秋芳町の別府神楽に参加しました!

2010年11月12日[金]

これまで半年間にわたるダンス交流プロジェクトを経て、美東町・赤郷の田んぼ、秋芳町梨園で2回のショーイングを行ってきた江藤さん。
今回は、「別府念仏踊り」の練習と本番を見学させていただいたのをご縁に、「別府岩戸神楽舞」に参加させていただけることになりました。

山口県無形文化財にも指定されているこの「別府岩戸神楽舞」では、毎月第一土曜日の夜に行われていて、今年は11月6日に開催されました。
別府地区では、小学4年生から笛の練習を行い、6年生から大人たちと一緒に舞を始めます。子どもたちも大人の方も、毎年この神楽舞を舞ってきた方々ばかりです。
10日前から始まった練習でもかなり熱が入っていて、みなさんがこの神楽を楽しみにしているのがとても伝わってきました。
そんな練習の合間に、皆さんから足の運び方や演目の意味などを丁寧に教えていただき、江藤さんはそれらをもとに今回のダンスを制作しました。

本番では、飛び入り参加の小学生たちの笛と太鼓で踊らせていただきました。
普段は舞にあわせて笛と太鼓の節が決まってくるのですが、江藤さんのいつもと違う舞に戸惑ってしまう場面も。突然のセッションでしたが、重なる笛の音と太鼓で踊らせていただき、ありがとうございました。

コンテンポラリーダンスという、新しい表現形態のダンスを伝統ある神楽舞のなかで演じることは、別府岩戸神楽舞保存会の皆さんにとっても新しい試みでしたが、最後には温かい拍手を送っていただきました。

別府岩戸神楽舞保存会の皆さん、出演者の皆さん、別府地区の皆さん、貴重な空間を共にさせていただき、本当にありがとうございました。

ショーイングvol.1~3の様子は、後日映像をアップする予定です。

※写真は現在ご覧いただけません
別府岩戸神楽より 左:「所ならし」 右:「神和」
※写真は現在ご覧いただけません
左:「弓の舞」 右:「手力男命」

【当日の演目】
1.  天蓋引き
2.  天蓋下Ⅰ
3.  天蓋Ⅱ
4.  一番神楽
5.  二番神楽
6.  うずめ
7.  花さんじ
-江藤由紀子ショーイング
8.  荒神
9.  所ならし
10. 鉾の舞
11. 神和
12. 弓の舞
13. 両剣
14. 尉の舞
15. 手力男命

「秋吉台でダンス」ショーイング

2011年03月21日[月] 15:58

2010年5月から11月にかけて行われた江藤由紀子のダンス交流プロジェクト「秋吉台でダンス」の成果として、合計3回のショーイングを行いました。

■ショーイングvol.3 ~秋芳町・別府神楽でダンス~
※現在映像はご覧いただけません
(9:46)

■ショーイングvol.2 ~秋芳町・別府の梨畑でダンス~
※現在映像はご覧いただけません
(5:57)

■ショーイングvol.1 ~美東町・赤郷の田んぼでダンス~
※現在映像はご覧いただけません
(10:26)

たたみ二畳分の四角形を舞台に舞う神楽。神様へのお辞儀に始まり、お辞儀に終わる。
半歩ずつ四角形の舞台の周縁をたどるように歩く姿から始まる。頭が常に一定の高さを保ち、上半身が水平移動している。だからといって、腰を落としてスリ足にしているわけではなく、行進のように足を運んでいる。簡単そうに見えるけれど、足を引き上げる下半身の動きにつられて上半身が揺れてしまう。
途中で太鼓と笛が変調すると、役者は舞台の内側を使って舞いはじめる。これは、基本的には自転をしながら舞台上に円を描く動き。
私はこの別府神楽で舞に参加させていただくにあたってこの2つの基本動作を覚えることにしました。体の自転にまかせて景色が流れていくのを見ていると、時間の縮尺が変わっていくように感じ、さらに回転を続けるうちに、意識よりも先に動きだす体を実感することができる。そうでないと、自転する動きの時間軸に置いていかれてしまう。命の時間も縮めてしまうようでした。そして何度も回転し、太鼓と笛の変調とともに、また始めと同じように淡々と歩きはじめるのですが、その転換は、観ていても舞っていても気持ちがいいのです。
本番では、時間感覚の違いをより体感できるような自転の動きと、半歩ずつ周縁を歩く舞に自分なりの動きをプラスした振付をすることにしました。劇場とはまったくちがう…神様が座っている神殿を前に、周りには神楽を見にきたたくさんの地元の方々がいるという特別な場で、さらに自転したあとは目がまわって景色はぐにゃぐにゃ、まるで夢の中。
わたしが思うに、回転しているときのあの緩んだような時間は、後ろから前へと流れる時間から解放された瞬間なのではないでしょうか。そして静かな歩みに引き戻す太鼓や笛の音、そして舞の形は、そのような時間を行き来させる身体を扱う手法なのではないかとも、思います。静かに歩んでいると、そのような時間のギリギリの際にいるような気がしました。

「秋吉台でダンス」では半年にわたって、秋吉台で暮らす方々が、仕事や日常生活でどのように体を使っているのかを観察していました。環境が与える決まりごとのなかで、体に無理や矛盾がないように動き、さらにその時々で柔軟に動きを変化させることが、ごく自然に行なわれていると感じました。私は、自分の中で何か決まりごとを持ってしまうと不自由になるような気がして避けてきたのですが、今回は神楽の「基本の動き」を軸にすることで踊りを作ることができたし、私の踊りを神楽という場に繋ぎとめていただきました。
長い時間をかけて見極められた「基本」を授けていただくというのは、とても贅沢でありがたいことです。自分の身体だけでは生み出すことのできないものを体験させて頂きました。それは私にとって今後付き合っていくとても大切な財産です。私の舞の場を作ってくださった別府神楽保存会の皆様、本当にありがとうございました。

5月から11月まで、秋吉台の方々からさまざまな生活を体験させていただき、自然やさまざまな環境と生きることのさまざまな関わり方を学ばせていただきました。自分の生活環境に対応できるようにできている身体は、余計な力が入っていなくて懐が深く、とてもきれいでした。
このプロジェクトでご協力いただいた農家の栗栖さん、秋芳梨園の秋山さん、りんどう民舞の会の皆さん、青景神楽の吉村さんと皆さん、別府神楽保存会の皆さん、そしてこのプロジェクトを通して出会った皆さま、本当にありがとうございました。

江藤由紀子


※活動レポートは当時秋吉台国際芸術村が運用していたブログ記事より転載しています。